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2006年6月29日 (木)

夕凪の街 桜の国 (こうの史代)を読んでみました

Yuunagi とても淡い色の可愛い絵の素敵な表紙ですね。けど中身は、悲しくて考えさせられる漫画です。

以前、「長い道」という作品を紹介しました、こうの史代さんの代表的な作品「夕凪の街 桜の国」を読んでみました。

長い道、は昔っぽい可愛い絵と、ほのぼのとした話で、かなり気に入ってしまいました。書店で最近、漫画の中身が見られるようになっていることがあって、恐らく商売的にちょっと読ませたほうが売れるだろうという意図なのでしょうが、私はたいがい全部読んでしましますが・・。で、長い道とこの本が両方読めて、私はまず、長い道を買ってしまったのは、これが、なんだかヘビーな、読みにくい作品だなと感じてしまったわけで・・。

夕凪の街、とは広島のことです。これは原爆被害者の「ヒロシマ」のことを描いた作品です。こうのさんが広島市出身ということで縁あって書いたようです。

本の帯に「今年一番の感動を呼んだ作品」と書かれ、手塚治虫文化賞を受賞したということで、感動作として高い評価を得ていますが、作者は感動させることを目的として描いたのではないということは読めばわかります。ただ感動したいという方には、かなりヘビーな作品でしょう。

3つの作品が納められ、夕凪の町は昭和30年の広島市、桜の国1は昭和60年代の東京、桜の国2は平成16年の東京と広島が描かれています。

夕凪の街、はわかりやすい作品です。被爆しながら生き残った23歳の女性が戦後10年たって、「あの時死ねばいいと誰かに思われたのに生き延びてしまった」ことに気がついてしまった。好きな男性に求愛されても、「お前の住む世界はそっちではない」と声が聞こえ拒んでしまう。その男性にこのことを打ち明け、「生きとってくれてありがとうな」の言葉を送られ心を開くが、原爆症を発症し。とても悲しい悲惨なラストが待っています。私、不覚にも泣いてしまいました・・。戦後10年たっての広島の風景と、定規を使わない温かみのある絵がとても素晴らしい作品です。そしてこれは序章に過ぎないのです。ヒロシマはまだ続いているのです。

桜の国、はその女性の弟の娘が主人公で平成今現在の話。ちょっとわかり難かったのですが・・、被爆二世への差別を扱っています。この平成の現在でも、こんなヒロシマの爪あとが存在し、このような偏見があるのかと、私は知りませんでしたし、考えさせられてしまいました。20代の女性の主人公は「わたしもいつ原爆のせいで死んでもおかしくない人間とか決めつけられたりしてんだろうか」とつぶやきます。とても心情が丁寧に描かれている作品です。

私は広島市に2回行きました。会社員の時出張で行った時は、路面電車が走っている街、というくらいの印象でした。2度目は5年前、新婚旅行で行きました。高層ホテルから見下ろせば近代的な街並みと、眼下に広がる広島城の広大な敷地を見て、ここにあった立派な現存天守閣は原爆で消滅してしまったことを知りました。

そして、原爆ドームを訪れました。散歩がてら気軽に行ってしまったのですが、私達二人とも足が止まって動けなくなってしまいました。それは、あの有名なドーム部分のむき出した鉄骨ではなく、建物の足元に広がるおびただしい瓦礫の山でした。息を呑む光景です。こんな瓦礫が広島市中にあの時広がっていたのだろうか・・。土台をコンクリートで固めないで、当時の地面をあの瓦礫をそのまま残したことに感謝しました。あの瓦礫を見ただけで、原爆の悲惨さを我々は感じてしまったのです。平和資料館は怖くて行けませんでしたので、船に乗って宮島に渡り、神社見て、焼き牡蠣とアナゴ飯を美味しく食べました。

広島はとてもよい町でした。是非皆さんも機会がありましたら、原爆ドームに行って足元の瓦礫を見てください。平和で近代的な街に忽然と現れるヒロシマを見てください。

この漫画は、今もヒロシマは続いているのだということを教えてくれます。感動を呼ぶのではなく、考えさせられてしまうのです。機会があったらどうぞ、私は好きな絵です。

では、また。

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