いよいよ今夜、漫画「神の雫」のTVドラマ放映!見ましたよ~。
亀梨君かっこいいぜ!雫にドンピシャのはまり役だ。うおおおおおい!いきなりDRCのリシュブールを割るなよ!いくらすると思ってるんだ、亀梨君。10万円くらい平気でするんだぞ、1本で!TVドラマ版のHPはこちらから。
ロベール爺さんは、キャラが変わってしまったが・・、TVだからそれでいい。のだめのミルヒの時と同じな。まあ、いきなりフランス語で唄いだして踊るとは、亀梨君もやるな!
原作漫画とは違う展開ですが、それはTVドラマ、仕方ありません。雫が最初に飲んだワインがモン・ペラじゃなくてシャブリだったとは。結局TVの第一話は漫画の1巻から3巻までの急展開。ちょっと早すぎ!しかしTVの脚本家は凄いよ。あれだけ話を繋げてつじつま合わせるものな。DRCリシュブールで上手く話が繋がったなあ~。亀梨君ファンの綺麗なおねいさんが、ワインの話し、ワインの面白さに興味を持ってくれたかなあ?ワインのこと、ちょっとわかり難かったんじゃないかなあ?その辺は漫画を読んでもらって・・。そして、このブログにも、来てくださいね・・。
サン・コムが出てきただけでも良かったか・・。サン・コムはここでも書きましたが、お安いので飲んでみてください。
スパイシーなお味です。ドラマでもやっていたけど、栓を抜いてから1時間位してから飲んでみて。もしくは亀梨君のようにデキャンタージュしてみよう!きっと、こぼすけどね。
明日、亀梨君ファンの綺麗なおねいさんが、ワインショップにいって「シャトー・ムートンの90年ください」とか言わなきゃいいけど。あれも1本5万円くらいしますぜ。けど買っちゃうかもなあ、本物のファンなら。価格が高騰するかなムートン?しかし、高級なワインをポンポンと抜くTVドラマです。あの一話で何十万円飲んだだろうか、本物?
さて、私は安いワインしか飲めませんが、ここからは漫画版の話です。
TV放映記念の今夜のワインは、原作の1巻後半から始まる「ブルゴーニュワインの神様のワインの代わりのワイン探し(?)」編です。
1巻後半~2巻の前半のあらすじ。
初めてのワインに酔いしれた主人公雫は飲みすぎてしまい、、一緒に飲んでいたソムリエール見習いのみやびちゃん宅にお泊りしてしまう。部屋にあったワイン本を読み漁り、ワインの面白さに目覚める。そして雫がコーヒー豆のブレンドを当てたことから、驚異的な嗅覚の持ち主であることをみやびは発見する。
遠峰と最初のテイスティング勝負のワインの香りはこれだ!雫の示した香りから実物のワインを確かめるために、みやびの働くレストランのセラーに忍び込む二人。しかし、みやびは「とんでもないワイン」のボトルを落として割ってしまう!
アンリ・ジャイエ。ブルゴーニュワインの神様といわれる名醸造家アンリ・ジャイエの最高傑作99年の「クロ・パラントゥ」700本しか造られなかった名品。
しかもそのワインは、みやびの勤めるレストランの社長美島の今夜の商談相手、フランスのワイン商が送ってきたものであった。商談が壊れれば損益は1億円。「ジャイエの後にジャイエなし」代わりのワインなど無い。美島はみやびをクビにすると言う。
まってくれ!雫は代わりのワインを探してみせる、と美島に言う。神咲雫という名前にピクッと来た美島は、3時間以内に探して来いと言う。
俺が世界的ワイン評論家の神咲豊多香の息子と気付いて持って来いと言ったのか・・・。おやじは死ぬ間際にアンリジャイエを飲んでいた。(TVドラマはムートンになっていた)あの香りと似た香りの、違うラベルのワインをおやじは過去呑んでいたことがあった。代わりのワインはある!
みやびは、アンリジャイエからワイン造りの教えを受けたブルゴーニュの造り手を捜せば、代わりのワインはあるかもと発案。二人は銀座のワインショップを巡り、アンリジャイエ関係者のワインを探し出す。しかし二人の財力では、一番安い格下ワインしか買えない・・。それでも味わいの傾向は似ている!雫ならばそこからジャイエに一番近いものを探し出せる!メオ・カミュゼ、エマニュエル・ルジェ・・・。その他買い込んで、さあ試飲開始だ。
という話しなんですけど・・・。
で、この二人が銀座のワインショップで買ったのは、アンリジャイエの関係者が造る格下ワイン。
ブルゴーニュワインの格付けについては、先日書いたこの記事で詳しく説明しています。
ブルゴーニュの赤ワインは、ピノ・ノワールという単一品種で作られるため、畑の優劣がワインの味に出ます。優れた畑のぶどうで作ったワイン(特級畑、1級畑)→ブルゴーニュの特定の村の中の畑のぶどうで作った村名ワイン→ブルゴーニュ地方のどこかの畑のぶどうで作った地方名ACブルゴーニュワイン、と格付けされます。地方名ACブルゴーニュの赤ワインは「ブルゴーニュ・ルージュ」「ブルゴーニュ・ピノ・ノワール」の名前で売られています。
では、私が買ってきたアンリ・ジャイエ関係者の格下ワイン。
メオ・カミュゼ・フレール・エ・スールのブルゴーニュ・ルージュ2006年。
エマニュエル・ルジェのブルゴーニュ・パストゥグラン2004年。
いやお金がなくてね、優良ビンテージの2005年すら買えません。この二銘柄、ブルゴーニュじゃ凄い、価格の高騰ぶりが・・。アンリジャイエは引退後、近年お亡くなりになりました。なので、もうジャイエの作ったワインは減ることがあっても増えることはありません。いつかは無くなります。価格はもう物凄いことになっています。なので、アンリジャイエ関係者のワインも物凄く高騰し、しかもこの二人のワインはすこぶる評判が良いのでお値段も高めです。だから一番安い奴です。
まずは、メオ・カミュゼを飲んでみます。
メオ・カミュゼは高いし数も少ない。けどこのドメーヌ(自分で栽培したぶどうを使うワインの造り手)が最近はじめたネゴシアン部門(買ったぶどうでワインを造ったり樽で買ったワインをブレンドするワインの造り手)メオ・カミュゼ・フレール・エ・スールのものです。これならお値段は少し下がります。
生前のアンリジャイエに畑を貸してぶどうを造ってもらいワインつくりを教えてもらったメオ・カミュゼ。ジャイエは自分の畑があまりなくて、借りた畑でぶどうを作る小作人だったのですね。良い畑は昔からの名門地主が持っていますから・・。
さてお味は?
実はブルゴーニュワインって、酸っぱいんですよね・・。薄い味わいに中から繊細な味を引き出す。かなりマニアックです。日本人は、日本酒のような甘いお酒に馴れているので、酸っぱいお酒はなかなか馴染めないようです。芋焼酎も甘いしね。けど、飲み続ければ、段々舌が慣れてきてこの酸味に縁どられた旨味が浮き上がって来るのです!
さあメオ・カミュゼ飲みます。
「お・・・、おお、おお・・・・。
酸っぱあああーーーい!酸っぱっ、酸っぱっ!
若いのかなあ?結構酸味が尖っています。やはり良いワインは寝かせないと酸味が溶け込まないのかな?
う~ん見た目は凄く美しいルビー色。
気品ある味わい。」
やっぱり酸っぱい!もう少しまろやかさが欲しい。
香りは控えめ。
味は果実の風味がぎゅっと詰まっている感じ。
余韻は短めだけどふわっと来る。
このふわっと鼻孔に抜ける余韻はいいなあ。
焼豚とあわせる。食事とあわせるとこの酸っぱさが中和される感じ。
酸味の後にふわっと果実味の余韻が立ち上がる。
30分経つ
口当たりの酸味はやや穏やかに。
甘酸っぱさが余韻に残る。
翌日、若干飲みやすくなる。
3日目、酸味がこなれて飲みやすい。香りは遠のいたけど。
2~3日目も飲めるってところが実力のあるワインというところでしょうか。
ポイント84点。
続きましては、エマニュエル・ルジェ。この人は、アンリ・ジャイエの甥です。
このパストゥ・グランというのは、ブルゴーニュのテーブルワインかな?
通常ピノノワール種の単一で作られるブルゴーニュワインですが、このパスグラはガメイ種とのブレンドが認められています。ガメイというぶどうは、ボージョレーで使われるので日本人にはおなじみのぶどうです。
それでも、この人のワイン、高価ですよ・・。2004年はあまり良い年じゃないのに。
漫画では、アンリジャイエ関係者の格下ワインを全て試飲した雫は、「違いますね、微妙に・・・。確かにどれも共通点があるが」雫君はどれが一番神様に近いと思う?「強いて言えばこのエマニュエル・ルジェかな」
そう、一番アンリジャイエに近い味といわれているのがエマニュエル・ルジェ。
では、ルジェを飲んでみますよ。
ああ、香りがすごくいい。甘い香り、イチゴのよう。いや、イチゴジャム?いやどんどん香りが凄くなる、カキ氷のイチゴシロップのような甘~い香りだ。ワインの香りがこんなに良いなんて、この香りが味わいに残っていたら凄いぞ。
飲むぞ!
「お・・・、おお、おお・・・・。
酸っぱあああーーーい!酸っぱっ、酸っぱっ!
はあはあ、やっぱり酸っぱい・・。」
いや、けどだいぶ酸味に慣れてきたぞ。酸っぱさの向こうにある旨味が見えてきた。
慣れるとこの酸っぱさって癖になるかも。また飲みたくなる。
色はブルゴーニュは薄いけど、これは深い色がある
ああ、酸味が梅のよう。パスグラって特に酸味が強い?
味が、見えてきた・・。ベリー系、赤果実、樽の香り。そして最後に甘みがある。
複雑な余韻。
口の中が果実でいっぱいなるような。
燻した様な香り若干ある。余韻は喉から下にしばらく旨味があるような。
これはちょっと冷した方がよいかもね。
これ一般的にはお奨めできないなあ。私はこの酸味にだいぶ慣れましたが、普段ワインを飲まない人がこれを飲むと、リンゴ酢健康法を思い出すかも。
このワインはルジェが所有するヴォーヌロマネ村の畑のぶどうで作っているという噂。あの評論家のパーカーさんが、1級畑ものに匹敵すると言ったとか、本当に?
30分たつ。香りはさらに良くなる。
酸味は相変わらず。
翌日。冷蔵庫でちょっと冷してみて飲んだ。お、酸味がいい感じに。酸っぱいんだけどその向こうに甘さが現れた。
むしろ甘さが見える。イチゴのような。けど後味に苦味とタンニンが渋い~。
果実味の余韻は結構長い。
ポイント85点。
茹でたてのブロッコリーとあわせてみる。赤ワインは肉料理に合うと言われますが、暖かい野菜にも合うなあ、うん。マヨの酸味とブロッコリーの甘みとのマリアージュだ。魚のムニエルにも合ったぞ。飯を食いながら飲むワインなんだ。この酸味、料理と合うのだ。これだけじゃなくて料理とあわせることによって引き立つようですね。
ブルゴーニュワイン、かなり癖になっています。まだまだ飲んでみますから・・。
予告編を見るとTV版は次回、ブルゴーニュですかな。あれですよ。安いやつ買っておこう・・。85年のムートンが、とか亀梨君が最後に言っていたのは謎ですね。何かの伏線だな。
原作とワインだけは違うのに変えないでね。
では、また。