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2009年1月17日 (土)

映画「櫻の園」・漫画「櫻の園」

昨年の11月末に映画「櫻の園」を見ました。

実は、また職場の同僚さんに映画のただ券を頂いてしまったのです。Uさんありがとうございます!
その前に券を頂いた時には、デトロイトメタルシティ という映画を見てしまった。原作が好きだったもので。
今回は時期的にコレという映画が無かったのですが、原作の漫画を読んだことのある「櫻の園」にしたのです。

櫻の園の公式サイトはこちら あらすじ動画が見られます。

いや、私別に、女子高生マニアじゃありません(笑)。制服マニアでもないし(OL様を除く)。ただこの映画には興味があった。
1)原作の漫画が好きだ。
2)18年前に映画化されたときはとても評判がよく、同じ監督が再映画化した。
3)今回は評判がよくないらしい(笑)。
という理由で興味を持ちました。

はっきり言って、折角無料券を頂いたチャンス、普段見ない映画を見るチャンスです!

Asn3 あらすじは、思い出して書いていますが、ホント上の公式HPを見てもらえばわかりやすいです。主人公の女子高生が、バイオリンの道に挫折して転校(なんで?)、櫻の綺麗な名門女子高校に入学。お嬢様学校過ぎて違和感を感じてしまう。
ふと目に入った旧校舎に忍び込み、そこで「櫻の園」という演劇の台本を発見する。そこは演劇部の稽古場。当時の衣装や小道具も発見。周囲を誘ってこっそりと練習を始める。しかし、その「櫻の園」は以前は上演されていたが、ある年、演劇部の事件により、それ以降の上演は禁止されていたのだ。その時の演劇部員が担任の教師と主人公の姉だった。学校に練習がばれて、中止されられてしまうが・・。という設定。

原作とは設定の一部を除いて、かなり違う作品になっています。

原作でもそうなのですが、さんざん盛り上げて、さあ、本番の幕が上がります、というところで物語は終わります。コレに、え?と思う方も多いと思いますが、それがこの作品に一番良いところなのです。

で、世間の評価が悪い。要は、出演の女優さんがオスカー何とかという事務所の所属ばかりで、それの宣伝映画だみたいな言われ方です。キャストが悪いということ。
それに出演者の演技が酷いということですが、私は、あの人たちのぎこちない演技が、かえって演劇部員という演技をリアルにさせてよかったと思う(笑)。一番演技力があったのは校務員のおじさん役の人でした・・。

前評判どおり、劇場はガラガラ・・。観客は6名でした。イオンシネマ高崎は全席指定ですが、私はいつもどおり一番後ろの真ん中ね。泣いているのがばれないように。男性は私だけ。女子高生マニアだと勘違いされなければ良いのだが・・。

さて、見た感想ですが、良かった(笑)。私、いつもながらですが何度も泣いてしまいましたよ・・。沢山の人が頑張って作った映画です、そんな悪いわけないです。ちゃんとしてますって。色眼鏡で見なけりゃ大丈夫。ただ・・、TVドラマみたいだなあ。邦画を見て感じるのは、これTVドラマでいいじゃんていうのが多い。せっかく劇場で見るものは、やはり大掛かりな撮影をして迫力のある映像が見たい。エンターテインメント性かな、洋画との違いは。お金出してみるものでは・・。せめてDVDクラスかなあ。
けど作品は悪くないです。ラストに向かっての盛り上がりは感動的で、気持ちよかったです。良い人ばかりの、綺麗な作品です。

主演の女優さんは、可愛いけど、ちょっとオーラが足りないというか。あの演技であのキャラは難しかったと思う。主演にあの設定のキャラというのも魅力に乏しい。
で、めっけもんが二つ。

Asn1 目立っていた女優さんが、モデルの杏さん。この人は良かった。モデルをやっている人ですが、海外のコレクションでもモデルをやってる有名な人。
スクリーンで見て、あ、この人知っていると。以前山の雑誌「ヤマケイJOY]の08年春号に載っていたのです。その記事は、殆んどはじめての山登りで友人に連れられて、北アルプスを縦走していた。しかも西穂高からジャンダルム~奥穂高~北穂高という屈指の難ルートの縦走に成功していた!ホント毎年何人かの命を奪う恐いコースなんですよ。そこをこんな綺麗なおねいさんが歩いたなんてスゲエ、と感動したことを思い出しました。スクリーンでもこの人が一番存在感がありました。

さらに輝いていた女優さんが、寺島 咲さんです。地味でしっかりした生徒、という役柄を演じていました。この人が地味なキャラクターなのに輝いていたのだ。この人は、ちょっとこれから伸びるかもしれません。私好きなタイプかも・・。
この寺島咲さんと杏さんがストーリーで絡むのですが、主人公のストーリーを差し置いて原作漫画にあった重要なシーンを演じます。女の子同士の感情みたいな。この二人が劇中で演じる役どころがイメージと逆なのが面白い。男装した寺島咲がドレス姿の杏と記念写真を撮るシーンは感動的。原作を読んでいると、この辺の微妙な心理がわかるのです。

全体に桜が効果的に使われています。満開の桜。櫻の頃には必ずある春の嵐、花散らしの風。そして散ってしまった後の櫻の樹。最後のシーンで小道具の手作りの花びらが風に舞うシーン。櫻のビジュアルがとても綺麗です。DVDがレンタル開始したら見ていただきたい作品ですよ。
90年の前作も、手に入れて見たいと思っています。

で、原作の漫画です。
コレはもう傑作中の傑作だと思っています。吉田秋生は大好きな漫画家ですが、私はこの作品が一番好きです。

Asn2 まだ絶版じゃないと思うのですが、この文庫サイズのコミックス、本屋では見なくなりましたね。古本屋を巡れば出会えると思います。

1985~86年の作品。この作家は当時、少女漫画誌ではあまり見なかった男子の生理を描写していたと思う。性に対して表面的じゃなく心理的なところを描いていたし、絡む男の心理や体のことを描けていたので人気があったと思う。この人のほかの作品もまた書きます。

演劇部で上演するチェーホフの「櫻の園」に出演する女子高生の話。「花冷え」「花紅」「花酔い」「花嵐」の4話の各読みきりで、また話が繋がっていきます。
あとがきでこの映画の監督が書いていますが、第1話が初体験、第2話がファーストキス、第3話が初恋の思い出、第4話が同性への片思い、と恋愛度は段々希薄になっていきます。なのにどんどん話は濃くなっていく気がします。

どれも、すんなり恋愛に入り込めない心理や、女になる過程のトラウマからの脱却が描かれていきます。第1話の、姉の最初の男が忘れられないという独白から、自分も初体験の男といつか別れても、この初めての日はずっと忘れない、という話。私、いろいろな女の子に聞いたのですが、昔の男のことなんかあっさり忘れる、みたいなこと女性は皆言うんですよ・・。なので、こんなことを昔の彼女は思っていてくれるのだろうか?と嬉しい期待を男としては持ってしまう話でした。
第2話、3話と、女の子が気持ちの中で女性になっていく描写がいい。第4話が一番良くて、女の子同士で、校舎の屋上の空バックの背中だけの描写で「わたし倉田さん好きよ わたしじゃだめかなあ」「ううん だめじゃない」というシーン。シンプルだけどとてもよい描写です。
原作と今回の映画は設定も話もずいぶんと違うのですが、この4話のコンセプトは継承されています。

80年代の感覚といえばそうですが、この雰囲気はアリ。映画は現代に置き換えていますが、この80年代のまま閉じ込めておきたいと思えます。

桜の咲く様子が時間軸となって表現され1話から4話まで見事に繋がっていきます。この漫画、少女漫画の100選があったら、絶対に入れたい漫画です。

では、また。

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コメント

「初体験の男を忘れない」と言うよりも「初めておつきあいした男を忘れない」の方が強いかも~?まあ私の場合それが同じ人なワケでどっちとも言えませんが(笑)。でも印象としてはこっちが正しい気がするなぁ♪

吉田秋生さん、ほとんど読んでるのに何故かこの作品だけ読めていません!吉田作品はかなりテーマが重めなので、なかなか家に保管しておけないので、お借りするか、買ってすぐ手放すかのどちらかなんですよ。たまたまご縁がない作品です。

そういや杏さんって、謙さんの娘さんなのでしたっけ?モデル業の方でお見かけしたことがありますが、印象的な方でしたね~。

それにしても、観客6人…大丈夫か?その映画館(笑)。

投稿: なごいく | 2009年1月23日 (金) 10:55

なごいくさん、こんばんは~。体調はいかがですか?

ああー、そうですよね、はじめてお付き合いした人ですか。プラトニックっていうケースもありますからね。
忘れないですかあ?やっぱ忘れられないわけですかあっ!他の男と結婚しても、忘れないで憶えていてくれているのでしょうかっ!!

吉田秋生さん、結構重いですよね。この作品も当時読んだのですが、ずっと忘れていました。文庫版を買って読み直したら、ああコレ読んでいたと・・。
重いような軽いような、結構さらっと読めてあとでずっしり来る感じでしょうか?わたしにとっては相当感じてしまいました。新品では見かけませんが、中古本屋さんではたまに見ます。
杏さん、お綺麗な方でした。モデル業界では有名みたいですね。ニューズウィークの日本人の100人に選ばれたとか?オーラがありました。演技はナニでしたけど・・。

桜の園の映画は大コケですね。興行収入15億円を狙って結果3700万円程度だそうで。150館規模で全国上映されたので、1館あたりの収入25万円・・。空調費も出ないです。主題歌スピッツなのに。全国で1日10人未満の入りです。同時にやっていたハッピーフライトすら10億円収入があったそうですが。見事なまでのコケぶりです。前作は良かったそうですから見てみたいです。

映画館の前で「おくりびと」と悩んだのですが、あっちはアカデミー部門賞候補になりましたからね。けど、桜の園、貴重な体験になりましたから(笑)楽しかったです。

投稿: 管理人(電動おやぢ) | 2009年1月24日 (土) 01:01

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