さあ、3年連続で参加しています、佐渡ロングライド2009年がやってきました。
最長走行距離210キロを誇る、日本有数の自転車ロングライド・イベントです。
タイヤもサイコンの電池も交換したし、補給食も持ったし、事前に長距離練習走行もこなしました。
全ての準備は整いました。あとは走りきるだけです!
これは、風雨荒れ狂う佐渡での、チーム負け組メンバー12名による、自分との激闘の記録です・・・。
今年も、我が自転車集団「チーム・負け組」は、マイクロバスをチャーターしました。やはり佐渡は広く、移動用に車があると動きやすいのです。
メンバーのM氏が2種免許を持っているので、運転をお願いします。
男女あわせて12名がバスに乗り込みます。
朝6時に高崎を出発、関越自動車道で新潟を目指します。
バス旅行といった感じ。
S田さんが手造りのパンを焼いてきてくれて、とても美味しい朝食でした。
シングルモルトウィスキー「スカッチ」が旨かった~。
結構広いバスですが、座席はいっぱい。
そのわけは、後半部分は自転車を搭載。
小径車「バイクフライデー」がメインですが、自転車が12台も載っていますから・・。
バスは新潟に入り、高速を降りて、地元の「イオン」に買いだしに行きます。
イオンって物凄く広大な集合店舗。
まずはユニクロに行き、今回必ず着用しなければならない「企業コラボTシャツ・ホッピー」を買えなかったメンバーのために探します。
「このTシャツをください」と自分の胸を指しながら店員さんに聞いた時は恥ずかしかった・・。
結局売切れでした・・。
新潟に来た最大の目的。それはご当地グルメ「イタリアン」を食すること。
チェーン店の「みかづき」。
あのイタリア伊達男ジローラモさんがテレビで「イッタ~リアン?そんな名前のイタリア料理はアリマッセ~ンよ。」と言っていましたが、どんな料理なのか?
新潟県民なら皆知っている。新潟の誇るファーストフードです。
どうやら、ヤキソバにミートソースが掛かっているらしい・・。
フェリーの中で皆で食べようと、大盛りを3個購入。
さてイオンをあとにして新潟の街中を抜け、フェリー埠頭のある新潟港に到着。
ここでフェリーの搭乗手続きを済ませます。
駐車場には、ルーフに自転車を載せた車が列を作っています。
ホッピー!
これが今回着用したお揃いのユニクロ製ホッピーTシャツ。みんなご満悦。
その意味は、GWのホルモンツーリングのこの記事 をご覧くださいませ。それを読んでも意味はわからないかも・・。
さあ、フェリーの後部が開き乗り込みます。
自転車を積んだ沢山の車とともに。この瞬間、佐渡で走るんだと実感します。
車以外で乗船した方が早く乗れるので、良い席は埋まってしまう・・。
カーペットのお座敷は、飲酒禁止と厳しい。
もう3回目なので呑める良い席は知っています。
最後部の座席エリアの末端にこんなスペース。靴を脱いで上がります。
やっぱり宴会開始~。
船はいつの間にか沖に出て、新潟が見えなくなる。
海鳥が後をついて来て、餌を投げるとキャッチするおなじみの風景。
徐々に空模様は悪くなります。
早速つまみに、あのイタリアンを。
麺にはうるさい群馬県民を黙らす事が出来るか?
うーん、これは・・、イタリアンというよりモロにやきそばですね。
この太麺がやはりやきそば。
おつまみにはなり難かったかな?おやつ向きといった感じです。
イオンで買った食材で、Y田さんとS田さんが洒落たおつまみを作り始めました。
いつもキャンプでは美味しいものを作ってくれるお二人。
流石です。ごちになります。
ネギトロ、カツオのたたき、ホタテの貝柱など、海の生ものを大量に買い込みました。
リッツにクリームチーズ、ネギトロ、カイワレをのせたオードブル。
ピリッと辛くて旨い!
カツオのたたきにカイワレ、ポン酢、マヨネーズ、マスタードで味付けしてサラダ菜で巻いた一品。
これもまた旨い~。
生ハム巻き、ソーセージ巻き、貝柱とイカソーメン巻きなど、美味しいオリジナルおつまみを連発し、もう宴会はピークに!スパークリングワイン5本が開きました。
ごちそう様でした!
おお、佐渡が見えてきました!
やはりこの島はでかい。島だと思っていると痛い目にあいます。これは立派な陸地なのです。
佐渡を眺めるTもとさんカップル。ラブラブです。
仲が良くて悔しいです。
あまりにも悔しいので、M氏の肩を抱く私・・。
ラブラブ、のわけないです。
余計に寂しくなります・・。
背中に中年の哀愁が漂う二人。
さあ、いよいよ上陸です。
船倉のバスに戻ります。
沢山の車と人が、佐渡ロングライドに参加するために集結しているのです。
前部ハッチが開きました!眩しい。佐渡の光だ。
佐渡上陸!
バスの中に歓声が、拍手が響きます。
両手の拳を突き上げ「よしっ!やってやる!俺は佐渡を走りきってやるぜ!」全員が内に秘めていた闘志をむき出しにした瞬間です。
佐渡は俺たちを招き入れたのだ・・・。
あとは、自分との闘い・・。自分に勝利するのみです!
両津からバスはしばらく走り、スタート地点へ。
もう見慣れた風景です。
ここで受付を済ませます。周辺のブースでは、これまたイベントでおなじみの風景。
ウェアのアソスのブースでは、イベント名物あの外国の方が「アソス最高、世界イチ。値段も高い。けど、機材にお金掛ける、なのにウェアにお金掛けないの間違てるネ。安いのなら他を買てクダサイ。アソス普段まけナイ。今日だけトクベツ」。もう何年も見ているよなあこの人。結構この人からアソス買っています。日本語上手になるにつれて言ってることが厳しくなってるよ(笑)。
受付でゼッケンを引き換えます。
今年のTシャツのデザインは?
こ、これは・・・。
うーん、今手元に無いのでお見せできませんが、文字が無い分、今までより着やすいか?いや、画がちょっと、一番あれなんですけど・・。
さあ、受付完了。ゴールゲートをくぐります。
自分がフィニッシュした瞬間を想像します。
DJさんに名前を呼ばれ、両手でガッツポーズをしてこのゲートをくぐるあの瞬間を!
そして、誰も怪我をすることもなく、無事に家に帰る、それが我々の最終目標なのです。
さて、バスに乗り込み、宿を目指します。
今回はスタート地点に近い宿を選んでくれました。今まではかなり遠かったので、スタートまでの移動が大変でしたから。
「国際観光ホテル・八幡館」です。去年の民宿もよかったけど、今回グレードアップ。
なんと天然温泉です!お値段も高級ですよ~。
チェックイン。
自転車は、部屋の前の廊下に置いてよいとのこと。嬉しいです。安心です。機材の最終調整も出来ます。
このイベント、地元の方がとても好意的です。
しかも自転車に慣れてきたのか、自転車乗りにとても配慮してくれます。
雨が強く降って来て、明日の天気が心配に。
まずは温泉に入って、旅の疲れを癒します。これは温まる、素晴らしい温泉でした。
宴会夜の部です。もう一日中飲み続けている感じです(笑)。
目の前にはご馳走がずらり。
まずは運転してくれたM氏に感謝をします。そして酔っ払う前に明日の戦略を練ります。
やはり全員が怪我をしないよう安全に配慮し、無理をしない、皆で助け合うことを確認。
スタートは、集合時間はコースで異なりますが、出発の遅いコースにあわせるのなら問題なさそうなので、130キロコースのスタートで全員同時に出ることにします。まさにチームが一体となった瞬間です!さあ、明日は全力を尽くそう!自分に勝て!乾杯!
海の幸がメイン。
全体が薄味で、やや上品ですね。前回の民宿の方がコロッケとかアジフライとか馴染みやすかったなあ。やっぱ庶民な我々です。
よーしっ!呑めー、呑めー、呑めーっ!
しかし、呑み始めたらいきなり「めかぶご飯」が出ました。食べろってこと?おすまし、デザートも・・。ちなみにデザートは冷凍した柿。
番茶が出たときは???。
いくら混んでいるとはいえ、ちょっと急かし過ぎなんじゃないでしょうか?
まあ、嫌と言うほど食べられましたけど。
さあ、明日は朝が早い。9時には就寝です。
天気を心配しながら眠ります。
翌朝4時。雨の音で目が覚めました。
庭園の池には激しい雨粒が波紋を広げています。
凄い雨です。
くそう、こんな雨の中を走るのか!
だが、やるしかないよな・・・。
しばらく様子を見ますが、雨脚は強まるばかりか、風も出てきました。
昨日作ってもらった朝食用のオニギリを食べながら打ち合わせをします。
スタート地点で並んでも濡れるだけなので、並ばずにスタートできるギリギリの時間まで遅らせよう、という作戦に決定。宿がスタート地点に近いというメリットを最大に活かします。
そうと決まれば話は早い。
早朝に起きすぎたので、二度寝ですね!
休日の最高の贅沢はやっぱり二度寝です!
ぐうう・・。皆が眠りだす。
私はこっそりと部屋を抜け出す。
廊下では、マシンたちが出走を今かと待っている。
「もう少し待っていろよ。走りたいんだろう?わかっているぜ、俺も同じだ。もうすぐスタートまで連れて行ってやるからな!」
そう、バイクに語りかけると、私は興奮を抑えきれず、ロビーへと向かった。
そこでは出走準備をしているライバル達が今にも走り出すところだった。
上下雨具の完全装備が多い。「幸運を祈る。」俺もすぐに続くぜ!
廊下の窓から空を見上げる。
暗雲が物凄いスピードで流れている。
これは荒れるな・・。
激しい雨に風。
島の自転車イベントは風との闘いだ。島の風には何度も苦しめられた。
海からの激しい向かい風。あの岬を回り込めば追い風になる、っと思っても、岬を過ぎても向かい風なのだ!そう、島の風は海からずっと向かい風が吹く・・。
部屋に戻ると、やはり興奮を抑えきれなくなった仲間が集まっている。
S田さんがノートパソコンとDVDを持ち込んだ。S田さんが先日完走した「宮古島トライアスロン」のDVDを観ているのだ。
国内でも屈指の難レースをS田さんが半日掛けてゴールをした瞬間をみた時、皆に感動が走った!
「よーし!俺たちもあんな感動を早く味わいたい!もう出ようぜ、スタートだ!」
「おい、焦るんじゃない!今出たら雨で体を冷すだけだぞ。落ち着けよ・・。」
「そうだな。よし5時半だ。風呂が開いたはずだから入ろうぜ」
「やったぞ!誰もいないぞ!俺たちの貸切風呂だ。最高だよなあ・・・。」
1000メートル掘削し自噴する天然温泉です。
ナトリウムー塩化物泉。
47.5度の源泉が毎分75リットル湧き出す。成分総量4631mg/㎏という相当な濃厚温泉です!
広い浴槽に掛け流しという贅沢さ!
それを貸し切り状態です!
くう、やや油臭のする温泉らしいぬるぬる系。つるつるしますよ。
露天風呂もあります。
宿所有の広大な松林の中、滝の様にお湯が注がれています。
部屋に戻り準備を始めようとしたとき、駄菓子が床に・・。
M氏が大量の駄菓子を持ち込んでいたのです。
「いや~これが食べたくてさ、一度に大量に買うと恥ずかしいから!スーパー3軒ハシゴしたんだよね。よーし、ちょっと食べない?お腹すいちゃったよ」
駄菓子をぼりぼりと食べながら男たちは最終打ち合わせ。
「しかし、雨が強くなったな・・。スタートどうするよ?」
「そうだなあ・・。雨でもZ坂までは問題ないな。ただ、小径車は雨だと上りのトラクションがな、立ち漕ぎすると滑るんだよね。濡れた路面は危険じゃないかな?」
「その先の下りがむしろ問題だな。タイトコーナーが連続する。下りで無理しないと登り返しが上がれねえ。もし誰かが滑って落車したらチームの皆に迷惑を掛ける。」
「いや、俺はそんなことを言ってるんじゃない・・。皆に無理をさせたくないんだよ。誰も怪我をさせたくないんだ。みんなで無事に帰ることを優先させたいんだよ!」
短い沈黙の後、とりあえずスタートして辛くなったら走って戻るというのは?と、ある男が問いかける。
「今、参加ガイド読んだんだけどさ、このイベントは途中で帰ってきたりショートカットとかが出来ないんだよ。逆走で帰れないから、途中棄権するなら、回収車を待たなくちゃならないんだ。雨の中で濡れながら。」
「それはまずいな・・。途中でやめて自走で帰れるなら気楽にスタートできるんだが・・。」
「雨の中で待っていたら体調を壊すぜ。」
重い空気の中、その男はポツリと呟いた。「走りたいけど、走れば濡れた路面も恐れないほど夢中になるから、かえって危険だ。」
おう・・、と皆がうなずく・・。
「走らないで夢だけ見ようぜ。それが自分に勝ったってことだ!」そいつは叫んだ。「それが大人の選択だ。社会人としてここで無茶は出来ない。元気で仕事しなくちゃな!」
「所詮俺たちは、チーム負け組。これも負け組みらしいな。どーんと朝から呑もうぜ!」
「豪気だな。よーし呑むぞっ!」
「呑めーっ!呑めーっ!」
2009年度、佐渡ロングライド。
チーム負け組み、出走せず!
次回は、「佐渡観光バス旅行に行って来ました」を掲載いたします。
折角ここまでご覧頂いた方にこんなオチで申し訳ないので、以前参加したときの記事を。
2007年度・80キログルメライドに参加した時の記事はこちら あの年は、80キロなんてのがあった。ここから数回連載しています。
2008年度・130キロコースの記事はこちら。 この年は唯一の晴天。ここから数回連載しています。どうぞご覧くださいませ。
4回やって3回雨じゃあ、ちょっと今後は評判が心配。開催時期はこれでいいの?観光地のGW明けの閑散期集客対策なんだろうけど、ちょっと考えた方が・・・。3連休の時にやって欲しいなあ。折角のイベントだものねえ・・。
では、また。