伊香保温泉に泊まる・岸権旅館
地元群馬県の有名温泉地伊香保。職場が年度末となり、大納会としまして1泊2日で宿泊してきました。
泊まったのは、伊香保の中でも老舗旅館、岸権(きしごん)旅館です。
創業天正四年(1576年)というとても歴史を持つ旅館。
老舗と言っても建物自体は昭和って感じの大きめな温泉ホテル的雰囲気。ホームページはこちら。
値段的には中の上、という感じですが、伊香保温泉の老舗旅館には特有の風格がある。それは温泉の特権。
伊香保の湯は、赤褐色の硫酸塩泉(炭酸鉄泉)。通称「黄金の湯」と呼ばれる源泉。しかしこのお湯、巨大温泉街と化した伊香保の旅館全てに供給できるほどの湧出量は無いのです。ですからこの黄金の湯が使えるのは、昔からお湯の権利を持つ老舗旅館か、高級旅館くらいなのです。
伊香保の坂を上り詰めた場所にある源泉からお湯は、石段街の下を流れ、小間口と呼ばれる分岐口へ決められた量が流れ出ます。詳しくはこのブログのここのページに書きました。 この小間口権を持つ旅館の一つが岸権旅館なのです。
けど、伊香保の老舗旅館は有名な石段街に面している場合が多く、細い急坂を登り上げなくてはなりません。そして玄関先の駐車場も狭いので、送迎バスに乗って離れた場所の駐車場に行くケースが殆んど。今回私のPOLOは小さい車なので、無理なく玄関まで乗りつけることが出来ました。
さて、無事決算日も終え仕事も一段落ついたので、午後過ぎに休暇を頂き、他の職場の皆さんより早めに旅館に入ります。
フロントのラウンジでは、お茶と温泉まんじゅうが頂けます。
部屋は、まあ普通ですが、綺麗ですね。窓の外は崖に面しているので、結構山の上という感じです。床の間に生花が一輪挿してあったので、なかなかちゃんとしています。
早速お風呂に行きましょう。
岸権旅館はお風呂の種類が豊富。貸切を除いて3箇所あります。その全てが、黄金の湯を100%完全掛け流し。これは伊香保でも他になかなかありません。伊香保の湧出量の1割がこの旅館に来ているそうです。
「六左衛門の湯」に行ってみます。皆~左衛門という名前で区別がつきませんが・・。
おー。
ここはガラス張りの内湯と、半露天風呂の二つの湯船がある眺めのよい展望風呂。
伊香保の温泉街と遠くに山々が見えます。
黄金の湯の掛け流し。ややぬるめですが、木製の枕がついていてゆったりと入れます。
ここに来るには、一度1階に下りてそこからまた専用エレベーターで3階まで昇るのでやや場所がわかりにくいのか?入ったときは誰もいませんでした。
隣についている展望露天風呂。
くー。
ぷっはー!
気持ちええ・・。
この茶色のお湯は温泉気分満点です~。
こちらのほうが湯船が小さいのですが、これだけの湯が注がれている掛け流しです。
1階に内湯の又左衛門の湯がありますが、今回は入りませんでした。
温泉成分はこちら。
硫酸塩泉(カルシウム・ナトリウムー硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物温泉)です。
すっかり温まって、部屋で湯上りのビールを頂き、さあ、宴会です。
貸切の広間に集合。
この日は同業者の宴会が集中し、旅館も大忙し。料理はお膳に最初から乗っていますが、固形燃料で温める仕組み。
メインは上州もち豚のしゃぶしゃぶ鍋かな?
氷のかまくらの中にお造り。この氷にシロップを掛けて食べてはいけません。
椎茸と蟹身の浸し菜の花。
春キャベツの湯葉巻き。
鰆の山椒焼
榛名産地鶏のつくね
などなど。
天ぷらも揚げてから時間が経ってしんなりしてますが固形燃料で温めた状態。
揚げ出し豆腐も同じように温めている。
一人専用お釜でタケノコご飯を固形燃料で焚き上げる。けど、宴会が最も盛り上がってる頃に炊き上がってしまい、皆席を離れている・・。結局、宴会終り間際に冷めているのを食べてしまった。そこで、鯛の土瓶蒸しのお汁を掛けてお茶漬けにしたら旨かったぞ~。
宴会後、カラオケクラブで盛り上がります。激しく・・。
部屋に戻ってから、温泉街に繰り出すことに。
やはり〆はラーメンを食べようじゃないかと、
男どもだけで夜の街に出ます。寒い~。
射的は今回はやりませんでしたが、やった人はおもちゃを結構もらっていました。
老舗旅館はメイン通りの石段街に近いのが良い。
何件かラーメン屋を見送って立ち止まったのがここ。
提灯が怪しいが・・。
本場台湾の味らしいので、ここに入ります。
普通のラーメンを注文。750円。
これが工夫があって、焦がしネギのようなものが浮いていて風味が良かった。
ギョーザ3人前。こ、これは!なんだ?
実に面白い見た目です。
丸い小さめな手作り餃子にパリットした皮がくっついて焼いてある。
特製のタレが掛けてあって、香ばしくて美味しい。
なかなか個性的な店にめぐり合えました。
腹いっぱいになって部屋に戻ります。中は暑くて、半袖シャツで寝る。隣の布団の方の強力ないびきが納まった直後に眠りに落ちました・・。
朝、目覚めると外は雪!積もっています。どうりで明け方寒くなったと思いました。
3月末なのに関東で積雪とは流石は山なのか、スタッドレスタイヤを外さなくて良かった。
伊香保の温泉街も白くなっていました。
広間で朝食。
お膳にいっぱい。とても朝食の量じゃない(笑)。我が家の夕食よりはるかに多い。
キノコのホイル焼、鍋焼きうどん、塩鮭、玉子焼き、カマボコ、山菜、刺身コンニャク、サラダ、納豆、のり、漬物、味噌汁、ヨーグルト、ミルク。
部屋の外でコーヒーも飲めます。
お腹いっぱいになった・・。
朝風呂に行くことにします。建物の外にあるという、離れの露天風呂へ。
「権左衛門の湯」
地下1階のフロント横から建物の外に出て、道を渡るとあります。
外を歩くという行為が、ちょっとした外湯気分を味あわせてくれます。
通路には雪が積もっています。
仲居さんが常駐している広間から脱衣場に入ると誰もいない!やった!朝は空いています。一人貸切状態です。
おお、いい感じ。
むう。
温泉雑誌などによく掲載されている伊香保でも有名なお風呂。雰囲気よし。
崖の上の木々にせり出すように、こじんまりとした湯船があります。
床も木で独特の模様。
総檜造りの浴槽に、黄金の湯が掛け流しでざーざーと注がれています。
濃い。
お湯の色は内湯よりも濃厚に感じます。浴槽の大きさ対して温泉の投入量が多いので、とても新鮮。
ポチャンと足を入れて・・。さあ、入りますよ!
おお!
ふおおおーー。気持ちいい~。
ぷはー。
朝の爽やかで冷たい空気の中、温かい温泉に浸かれるなんて、最高。
ややぬるめなので、長湯が出来ますよ。
掛け流しの黄金の湯。
ざーざー贅沢に注がれます。この瞬間私一人のために、こんな貴重な温泉を入れてくださって、ありがとうございます。
注ぎ口は赤褐色になって、温泉成分が結晶になってついています。
この辺の浴槽の縁を触ると手のひらも茶色くなってしまう。
なかなか濃い。
欄干には雪が薄らと積もる。
なかなかの風情。
のぼせたら、縁に腰かけて体を冷ます。
真っ青な空に、雲が高速で流れていく。
なんとも自然を感じるお風呂。
ただし、開放的な分外からも丸見え。
崖の下に別の旅館があり。
目の前の木々に葉が付いていない季節はご注意。
私は恥じらいは無いので、解放的な気分を満喫。
はー、いいお湯だった。とうとうずっと一人きりでした。最高にラッキー。
お風呂は一人でのんびりがやっぱり良いなあ。
素晴らしい露天風呂でした。
広間は休憩所。和室になっています。なかなか良い雰囲気。
無料の麦茶サービスがありましたので1杯いただきます。よいですね~。
仲居さんがいるときは、生ビールもあります。
また、風呂に持ち込める枡酒(1000円)もあると書いてありました。
さあ、これでお風呂も堪能できました。伊香保源泉黄金の湯を味わい尽くしましたから。
チェックアウトいたします。
車のキーを受け取ると、私のPOLOは玄関前に置いてあるという。遠くの駐車場まで運ばれなかった。やはりアレだな、ホテルなんかで玄関前には高級外車ばかり停めて置くってやつだな。流石はPOLO・・。
あ、ああっ!こんなに雪が積もっている!
ビックリしましたよ。関東地方で3月でもこんなに雪が積もるんだ、やっぱり伊香保は山なんだなあ・・。
と思って帰ってきたら下界も雪が朝は積もっていたようです。
季節外れの雪が積もったのか。
なごり雪だね。
ああ、久しぶりの温泉旅館宿泊。
実は、懐かしい人との偶然の再会というドラマもあったのですが、それは内緒。
やっぱり温泉旅館はいい!また行きたいです。
では、また。