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2009年8月 7日 (金)

漫画・20世紀少年

久しぶりの漫画レビュー。

とうとう20世紀少年、全巻を読めました~!以前から読みたかったのですが、20世紀少年の全22巻と、最終章の21世紀少年の上下巻あわせて24冊の漫画本をまとめ買いするのはいくら大人でも辛い・・。古本屋でも一冊350円か・・・。ツタヤで借りるかと思っていましたが、この夏、仕事関係で借りることが出来ました!どんな仕事よ・・。

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20世紀少年 1~22巻 浦沢直樹著 (小学館・ビックコミックスピリッツ)。

この漫画は凄いよ・・。映画化されたり話題になるだけのことはある(映画でこれが表現できるのか?)。これをスピリッツでリアルタイムで読んだ人はヤキモキしたでしょうね。私は一気読みしたので幸せでしたが・・。漫画としてのエンターテインメント性が高い。連載漫画を読み続けさせる技術にあふれています。その張り巡らされた伏線、そして謎が謎を呼ぶストーリー。肩透かし感のあるオチに怒る読者もいるようですが、私は満足。

この漫画はある意味難解。その漫画的な話に読みやすいと取り付いても、普通の漫画の読み方ではついていけないかも。小説を読むような感覚を要求されます。ストーリーでの時間があまりにも前後する、登場人物がとても多く、それぞれが絡み合うなど、頭で整理して考えながら読むことを要求してきます。中学校の時の国語の成績が「3」以上でないと投げ出してしまうかも(笑)。

ネタバレぎりぎりで書きますが、まだ読んでいない人は漫画を読んでから読んで(?)。

もう本は返してしまい手元には無いので、思い出しながらあらすじを書きます。

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1970年、大阪万博が開催された夏。小学生の主人公ケンヂは同級生の仲間たちと空き地に秘密基地を作る。草で作ったそこで、彼らは「よげんの書」を作った。子供の妄想で造った未来の出来事。世界的な事件、巨大ロボ、悪の組織、世界大統領、トレードマークの旗、正義のヒーロー。

ケンヂは大人になり、コンビニの経営に悪戦苦闘している。そんな日常で、とある事件の現場に残された見覚えのあるマーク。そして、同級生の謎の死に際しまた現れたあのマーク。それは小学生の時に自分たちが考えたマークだった!ついに起こる世界的なテロ事件。それらはあの「よげんの書」に書かれていた事柄が順番に起こっていたのだ。なぜ自分たちが考えた「未来」が現実に起こっているのか?同窓会で再会した仲間が、あの頃の記憶をたどり真相に迫る。たどり着いたのは謎の組織「ともだち」。そのリーダー「ともだち」は誰なのか?よげんの書を知る同級生の中に「ともだち」がいるのか?!そしてこれから起こることを知るケンヂが世界を救う正義のヒーローなのか?

・・・これはもう、40~50歳の中年世代にはもろにストライクな話です。若い人はこの70年代の感覚が理解できるかなあ?

空き地、秘密基地、駄菓子屋のばあさん、万博。仲間はずれ、絶交・・。そして子供心でついやってしまう悪事・・。

そんな子供の頃の感覚がいっぱいなのです。私も70年に小学校1年生。新入学で揃えた文房具は万博一色。色鉛筆やクレヨンは万博パッケージでした。もちろん万博には連れて行ってもらえず、クラスで万博に行った子はヒーロー、うらやましかった・・。アメリカ館の月の石、見たかった・・。見所は世界のパビリオンとなぜか日本家電メーカーのパビリオンだった。パビリオンの形や中での展示物は暗記しました(笑)。なんかの雑誌にあったから。けど行けませんでした。リコー館は丸かったな・・。けど尖っている感じのパビリオンが多かった。行きたかった・・。当時食べていた「肝油ドロップ」甘くて好きだったけど、入れ物は月球儀でアポロ宇宙船が飛んでいたデザイン。

そんな回顧的な感覚満載です、中年にとって。是非中年世代は読んでみて下さい!

で、まとめるとこの漫画の面白いところは、

1)70年代の懐かしい感覚。子供の頃の人間関係。グループと反グループ。

2)「ともだち」は同級生の誰なのか?謎解き。

3)正義のヒーローと悪との戦い。しかし、それは善悪ではなかった。

4)自分も子供の頃を思い出し、同級生を思い出す。そして、この漫画のもうひとつのテーマ、当時存在感がなくずっと思い出さなかった友達に辿り着く・・。

私はこんな感じでしたね。面白かった。

で、本編ではいったんは暴かれながら実は・・・的な存在になった「ともだち」の正体が明かされるのは、謎解き編である「21世紀少年・上下巻」です。

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「ともだち」は暴かれながらも肩透かし的なオチとなり、読者の多くも釈然としなかったようですが・・。

作者が後に語ったといわれる、同級生にいた、そんな存在。まーなんとなく、そんな同級生もあったかなあと私も思い出しますが。次々と登場人物を重ねて収拾がつかなくなったんじゃないの?と思われがちですが、その人物は1巻の最初のほうから登場してたんですね。そしてたびたび出てきていた。作者は最初からこのオチを造っていたのか?冒頭のシーンがずっと最後のほうに出てきたり、時間の流れが、一気に読んで読み返すと凄いなあと思いますよ。いろいろ繋がるのがミソ。

最初のほうは思い出話として登場する子供の頃の思いでも、後半ではともだちが洗脳用に開発したバーチャルアトラクションと呼ばれる、ともだちの子供の頃の思い出の世界の中に入り込んでしまうマシーンがとても便利に70年代へ連れて行ってくれる。SFのタイムマシーンや「時間よとまれ」のような便利さです。

ともだちも忍者ハットリ君のお面からあのマークの覆面になったところで意味があるのかな?子供の頃のナショナルキッドのお面をかぶった少年が重要になるが、これも二人いたし・・。顔が見えない、というところがこの話のミソなんですね。

Tレックスの「20世紀少年」(映画版のテレビCMで流れたガーガガというギターリフの曲)も意味ありげに出てきます。

この漫画いろいろ賛否両論ですが、私的にはあの70年代の場面に、子供の世界にどれだけ入り込めるかで面白さが違ってきてしまうと思う。あの頃が理解できないと、単なる謎解きミステリーとして読んでしまい、批判的な読み方になってしまうのではないでしょうか?私は子供の頃の感覚が蘇っただけでも満足。大変面白かった。小さな話を大きく膨らませる作者の技量に驚きました。

この漫画、現在45~52歳くらいの方が読むとまさにストライク。是非読んでみて下さい。誰よりもあの懐かしい感覚が共感できてラッキーです。

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