« 燕岳に登る・その3・燕山荘~燕岳山頂。 | トップページ | 燕岳に登る・その5・朝焼け、稜線、下山。 »

2009年8月30日 (日)

燕岳に登る・その4・燕山荘の内部・夕焼けの北ア。

前回の続き。無事に燕岳に登頂。

宿泊する山小屋・燕山荘(えんざんそう)についての詳細をレポートします。

3a1

北アルプスの山小屋はどこもレベルが高い中、2008年の雑誌・山と渓谷のアンケートで「泊まってよかった山小屋全国1位」「泊まってみたい山小屋全国2位」という、評判がとても良い山小屋なのです。

山じゃなくてこの山小屋に泊まりたくて、あの厳しい尾根を登ってくる人もいるという。私も、この燕山荘が気になって、今回このルートを選んだのです。

建物も標高2700メートルにあるとは思えないお洒落さ。

3a2_2

この玄関部分は昭和12年建築という。当時、帝国ホテルの資本傘下に入り、この部分は上高地帝国ホテルと同じ設計事務所が設計を担当。お洒落なわけだわ~。

玄関から入ると、右側にフロント。中のスタッフがすぐに声を掛けてくれる。「一人、2食でお願いします」と申し込むと、用紙を渡されて、名前や住所、明日の予定などを記入します。この段階で中のスタッフが部屋を決める。

1泊2食で9500円・・。年々高くなるね。これだけの山の中で設備を維持して頑張ってるんだから仕方ないか。1万円の大台に乗る日も近いかな。

靴を脱いでスリッパを履く。スリッパはスタッフが足元においてくれている。登山靴は手に持ってあがる。フロントから「ご案内お願いします」と私の名前と部屋番号が書かれた食券を待機していたスタッフに渡す。するとそのスタッフが「○○さま、お部屋にご案内いたします」とやるのだ。ひえー、ビジネスホテルだってエレベーターはあちらですと言うだけで案内もしないのに、山小屋で部屋まで案内してくれるんですか!またスタッフがみんなきびきびして爽やか。バイトの若者たちなんだが、高所で働いて大変だろうに笑顔なのだ。スムーズに案内されるので、疲れていたこっちも安心する。廊下でもさりげなく話しかけてくれ、こちらの質問、今日は混んでるの?今日は寒いの?紅葉はいつごろなの?と言う質問にも爽やかに答えてくれた。

フロントから短い階段を上がるとその2階部分。ここは本館客室、カーテンで仕切られた個室的な使い方をする部屋なのかも知れない。

3a3

グループで盛り上がっている。天井がちょっと低いかなあ。荷物や靴は廊下のロッカーに置くようです。この廊下を通り抜け進む。

この山小屋の一番気に入っているところは、個人客は予約がまったく要らないということ。そもそも山小屋は緊急避難所の役割もあるので、予約は要らないのですが、最近では準備があるのでどこの山小屋もたいがい予約希望とある。しかしここは、7名以上のグループや個室の場合は事前予約で、それ以外の個人客の予約は要らないときっぱりホームページに書いてある。ここね。 さすがであります。600人のキャパがあるので、どうにでも対応できるのかもしれない。山小屋の真骨頂。なので急に予定変更することになっても気を使わないので、気軽にこの山に来たのだ。(燕山荘HPが変わって、上記記載は無くなりました。予約は無くても泊まれるが食事の準備に関して予約をしてもらうと有り難いとの記載。やはり予約をしてもらうと山小屋はとても助かるので、是非予約をしましょう。)

部屋を抜けると急登。またかよ。ここがルート上一番きつかったかもしれない(笑)。

3a4

なんか凄く息が切れるのは高所の所為?この階段を登ると、私の泊まる部分。

3a5

建物は古そうですが、内装は新しめ。2段になっているけど天井は高そう。

私は2階だという。急なはしごを登る。

3a6_2

梯子の下にトレー的な部分があって、そこに登山靴を置き、スリッパを脱いで上がる。

2階に上るとこんな感じ。

3a7

なんか高原学校みたいだなあ・・。ひとつの部屋に左右二つのはしごが付く。

部屋というかひとつの区画はこんな大きさ。

3a8

カーテンが付いて、窓もある。

部屋の中は、3枚畳が敷かれ3畳間。

3a9

スタッフに聞くと、お盆明けから空いていて、今日は平日だし混んでいないから、一人一畳使えると思いますよ・・・、とのこと。

うーんと。ということは3人で使えるということか。敷き布団は3枚。1枚がちょうど一畳分になっている。敷布団一人一枚。これはラッキーなのでしょう。枕は5個あったから、混んでたら3枚の敷布団に5人寝るということもあるのか。この日だったら3人グループならこの一区画が専用できちゃうのか。ある意味個室感覚ですね。

家族以外は男女で分けている。単独者は単独者同士で相部屋になります。フロントでマッチ棒を部屋番号に立てて調整しているのでうまくやってくれるでしょう。

で、掛け布団は、寝袋なのです。5人寝ても一人のスペースは確実に確保できるので寝袋は良いかも。

3a10

ミズノと燕山荘が開発したオリジナル寝袋。小屋のロゴ入り。かなり薄い化繊ですが、発熱素材で暖かいという。本当か?ジッパーで布団のようにしたりいろいろ調節できるらしい。私のはジッパーが調子悪くてすぐに動かなくなってしまう・・。

3a11

自分の寝袋の写真を撮り忘れたので、別の部屋の奴。このターコイズのようなグリーン色のが寝袋。封筒型で使いやすそう。

天井も結構高い。屋根の形に傾斜しているが、立つことは出来る。ただ梁が何本かあって頭を打った。

3a12

この棚にザックを置くことが出来て便利。1階は無いのか廊下にザックが出ていた。結構広く、混んでいたら寝袋を持ってここで寝たほうが快適か?ん?外から光が漏れているが・・。この隙間で外ということはないだろうから、どうやらこの内部に部屋があるよう・・。廊下に梯子があったから3階があるようです。

しかし落書きだらけ。地元の中学生の登山学習の際に書かれたみたいな内容。

荷物を整理していると、同部屋の初老の男性が来た。やはり単独のようです。東京から電車で来て、明日は常念岳まで縦走するそうです。やるね。

で、この後、燕岳山頂まで往復してまた戻ってきた。それで山小屋を探検した結果。

トイレは簡易水洗。ペダルを踏んで少量の水で便槽に落とすタイプ。個室は洋式2和式3の割合か。トイレは2箇所確認。

水は沢からポンプアップしているらしい。タンクが外に沢山あり、蛇口から出る水はすべて飲める。もちろん節水で蛇口のノブはひねっていないとばねで閉じる。ちょっとづつ使う。

食堂、喫茶室以外に、部屋の側に談話室があった。奥にもうひとつ宿泊棟があるようだったが確認できず。

さて、食事はこの日は2交代で5時と6時。私は6時からと食券にある。まだ5時なので、1階に行く。

食堂では既に食事をしているが、喫茶室は食堂を横切った向こう。スタッフに確認して喫茶室は営業しているとのことなので行ってみる。

喫茶サンルームです。詳しくはこちらをどうぞ。メニューも載っています。

受付で生ビールを注文。折角なので豪快に大ジョッキ(1000円)!

3a13

ぷっはーっ!我慢できずに一口飲んでから撮影。おつまみのあられは100円。

しかし、こんな高所でジョッキの生ビールが飲めるとは!キンキンに冷えてはいないですが、確かに冷えている生ビールです。

一人で、食事中だからか他に客のいない喫茶室でビール。やることも無いので地図を見る。

3a14

携帯を持ってきたので、友人に山頂で撮影した画像を添付してメールを打つ。私の携帯SH-04Aは横にしてキーボードで入力するので、なんかゲームをやっているみたいで、誤解されたらいやだなあ・・。

メニューを眺める。

3a15

ケーキセットとは洒落ているなあ。秋にはケーキフェアがあって種類が増えるらしい。女の子と登ってきたら、こんなケーキでコーヒーなんていいなあ。ほんとにここは山の上かよ・・。

つまみも各種ある。誰かが枝豆を注文したら、受付のおねいさんが「今、もいで来ますのでお待ちください」だって。こんな高山で枝豆は生えていないだろうう・・。

窓の外は東側の景色。この日は一面の雲海です。

3a16

ぷっはー!雲の上で飲む生ビール、最高!

しかし、酒の回りがいいな・・。酔っ払っちゃった~。まだ食事まで30分あるので部屋に戻る。

3a17

同室のおじさんはいない。一人で横になる。窓の外は岩と水タンク・・。ちょっと寂しい風景。

廊下を挟んで反対側の部屋の窓の外は・・、

3a18

雲海です!なんか普通のサッシ窓なんで、凄く変な風景。こんな家だったら住むのは大変だよなあ。向こうの部屋のほうが良かったなあ・・。

6時になって食事。1階の食堂へ。中に入るとスタッフのお兄さんがいて、食券を渡しながら一人ですというと、お一人様~、と座席のスタッフに声がかかり導かれる。単独者はやはりお一人様のいるテーブルだが、グループも一緒。

こんなメニュー。

3a19

ご飯と味噌汁とお茶はおかわり自由、自分でよそる。ちょうどご飯のおひつが目の前だったのでお代わりが出来た。他の人のお茶をいれたり、ドレッシングをまわしたり、協力し合って食べる。

メインの皿はこれ。

3a20

白身魚をマスタード?マヨネーズ焼き?トマトソースかけ。魚は味が淡白ですがソースが良かった。豚の角煮。これは柔らかくて美味しかった。芋はハーブの風味。マカロニサラダに生野菜とオレンジ。

小鉢はそうめん、大根とわかめのピリ辛和え物、杏仁豆腐でした。

こんな高所でご飯が美味しく炊けていたのにびっくり。山小屋とは思えない、ちゃんとしたお食事でした。

さて6時半になり日没です。ジャケットを着て小屋の外に出ます。

まさに日が沈むところ。

3a21

燕岳。背後の稜線から、雲が滝のように流れてきました。

3a22

テン場も赤く染まる。いいなあ、キャンプ。食事も終わって寝るだけか。

3a23

鹿島槍ヶ岳も見える。

3a24

雲海。遠くの積乱雲に稲妻が光る。下界は天気が悪そう。

3a25

滝雲が夕陽に美しい。

3a26

月が出てきました。槍ヶ岳と三日月。

3a27

とても冷えてきました。寒い~。けど、美しさにずっと眺めてしまう。

こんな綺麗な雲ははじめて見た。海から流れ出ているようで幻想的。

3a28

暗闇がやってきた。夕焼けはもうおしまいです。好天に感謝。これが見られるから小屋泊は良いのですね。

3a29

北アルプスに夜が来ます。

さあ、山小屋に戻りましょう。

3a30

食堂では、オーナーによる山の話とアルプホルンの演奏が始まっています。

もう満席なので奥の喫茶室に入る。受付でグラスワインを注文。まだ飲むのか。

3a31_2 

スライド写真を使いながら、四季の燕岳のこと、山登りのコツ、動物のことなどとても面白くお話されます。みんな真剣に聴いて、うなずいたり笑ったり。雪山も勧めていましたね。天気さえよければ夏山より楽とのこと。ガイド付きなので正月にいかがですかとのこと。熊の話も面白怖くて、自然と共存するために尽力されているようです。

3a32_2 

ワインを飲みながら。アルプホルンも独特の音色とメロディーで感心。優雅な山の夜。燕山荘はこういうイベントをやって、お客さんにまた来てもらうための努力をされています。先日はクラシックコンサートをここでやったとか。演奏者の方々もあの尾根を登ったのか・・。

というわけで9時就寝。結局、同部屋はあのおじさんだけ。3畳を二人で!広々使えました。真ん中の布団は敷かずにザック置き場にしました。空いているな~。

ただ、やっぱりこの夏一番の冷え込み。頭のほうから強風が来ました。ゴーと言う音とともに、隙間風が私の顔の上を通り抜ける。こっち側の部屋は寒い!寝袋にインナーシーツを入れて、フリースを着て寝ましたが、やはりシュラフが薄いよ・・。夏用だ。これから秋は暖かく出来るようにもう一つシュラフを持参したほうが・・。

個室感覚でも、音の面では大部屋どころかこの建物全部で雑魚寝しているのも同じ。いびきが響きます。けど、まあ、静かなほうか。ipodして寝たのであまりわからなかった。音楽に聴き入ってしまいあまり眠れ無かったよ・・。あと、トイレに頻繁に皆さん行くので、足音がとても響くんだよね。うとうとして朝に・・。

朝焼けも綺麗でしたよ~。その画像は次回。

これは朝食。

3a33_2

塩鮭と卵焼き。パストラミポークみたいの、ポテトサラダ、キンピラ。ひじき、くずきり。皿の昆布佃煮をまわしていただく。

お代わりして、美味しく食べました。

次回は、朝焼けの北ア、稜線歩き、下山編、です。

|

« 燕岳に登る・その3・燕山荘~燕岳山頂。 | トップページ | 燕岳に登る・その5・朝焼け、稜線、下山。 »

山登り・トレッキング」カテゴリの記事