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2010年8月29日 (日)

パプリカ

先日、私が影響を受けている某女性のブログに、アニメ監督の今 敏(こん さとし)さんの遺言が載っていた。

泣いた。猛烈に泣いた。壮絶な遺言であった。ここまで死を目前として、冷静に死に向かう自分を記録し、周囲の人への感謝とこれからのことを書けるなんて。

公式ブログの記事はこちら。

私だったら無理かなあ。

今敏は有名なギタリスト今剛(この前買った宇多田ヒカルのライブDVDでも弾いていたな)の弟。

で、早速この週末、今敏の残した作品を見た。

レンタルだけど。今氏は、漫画化出身で、アニメ長編の作品は5作しかない。うち3作を見たが、凄かった。素晴らしく面白かった。個性と才能に溢れていた。これからももっと今氏の作品を見たかった。

パプリカ。

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夢と現実の混濁。今敏の作品の共通モチーフなのか、夢、妄想が現実なのか想像なのか、実像なのか幻覚なのか、入り混じってわからなくなって来るのです。

新しい出会い。一緒に仕事している音楽の平沢進がすごいのです。P-MODELの人といえば私の世代にはわかるであろう。テクノ発生時の人であります。こういう音楽やっていたんだ・・。

オープニングと音楽でやられてしまった。

パプリカのオープニング。

この動画編集した人もやるねえ。これ見てもなんだかワカラナイと思うけど、あらすじ。

広告動画のあらすじ。

ざっとストーリーを。他人の夢の中に入り込むことが出来る機械DCミニ。サイコセラピーにこれを応用しようと開発した研究所で、DCミニは何者かに盗まれてしまう。直後、研究所スタッフの意識に入り込み悪夢を見させ、精神を壊してしまう事件が発生。いったい何の為に?研究所スタッフのクールな美女・千葉敦子は、夢に入る際はキュートなパプリカとなって侵入する。パプリカは悪夢に入り込み、犯人を探し出すが・・?

原作は筒井康隆。私の中学~高校時代の最も影響を受けた作家です。笑いのツボは筒井康隆から教わったようなもの。このパプリカはその後の作品でもう読んでいなかったんだけど、映像化は不可能といわれたすごいものらしい。

筒井ファンであった今敏は対談でアニメ化を約束。

凄かった。夢の中なんだから何でもあり。あー夢ってこういう展開だよねと思うことも。もうどこまでが夢でどこからが現実なのか。これはまだ夢なのか!と思うシーンも。繰り返し少しずつ形を変えて出てくるシーンなど仕掛けが一杯。悪夢の映像もすごい。

今敏は漫画家なので、既存のアニメにはない映像を目指したそうですが、やっぱ周りはアニメの世界なんで、アニメワールドも全開。なんか人が巨大化したり爆発したり、チューブ状の物体が追いかけてきたりは、何でアニメ関係者はあの表現が好きなんだろう?雰囲気としてはジブリとAKIRAの世界の合体みたいですが、色使いとか独特の世界もあります。画がきれいです。夢の世界が現実の世界に現れてしまうのは、あ、アニメ、と思っちゃうけど、それはそれまでの展開がリアルすぎるから。是非観て欲しい作品です。

妄想代理人。これもよかった。

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WOWOWで放映された13話連続の作品です。今氏の初TV作品。シリーズで続くので息切れなのか途中で中だるみがあったけど・・。1~7話、11~13話の展開は面白かった!9話くらいで終わらせてくれればなあ。

これも音楽がいい!この曲は面白い。

妄想代理人のオープニング。

あらすじ。人気ぬいぐるみキャラのデザイナー月子が通り魔に襲われた。ローラーブレードを履き黄金の金属バットで襲う少年は「少年バット」と呼ばれた。しかし、この事件は次回作品が出来ずに追い詰められた月子の狂言では?その後、少年バットは次々と人を襲う。全ては追い詰められた人であった。生活の中で追い詰められると少年バットがやってきて殴ってくる。全然問題は解決しないがチャラにはなるという・・。一話に一人被害者が出てきては殴られるのですが、犯人を追いかける刑事が行き着いたところとは?

少年バット怖いよ・・。後半はハチャメチャな展開になるけどこれはこれでよい。毎回伏線が出てきては結局回収されなかったりで、ちょっと無理な展開ですが。なぞが謎を呼び面白いです。

被害者も自意識過剰や多重人格などで苦悩し、妄想に取りつかれ、現実の境が曖昧になってくる。

とにかくこれは観てほしいなあ。最後はやっぱり、あ、アニメ・・・って感じるんだけど、それはそれまでがリアルすぎるからなんだろうなあ。

私は内緒だけどユーチューブで見ちゃった・・。

こっそりだけどここから観ちゃった・・。

絵もきれいだし、これは面白いよ。

パーフェクト・ブルー。

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今敏の監督デビュー作。

これは怖かった。ホラーっぽいサスペンスなんだけど、最後が爽やかなんでミステリー好きには物足りないか?アイドルが女優になるために汚れながら成長する過程で、巻き込まれた事件物語、とみると良いかも。主人公のアイドルたちのキャラデザイン原案は私の好きな漫画家の江口寿史です。かわいいよ~。

パーフェクトブルー・広告

あらすじ。アイドルグループから脱退し、女優を目指すことになった未麻。しかし、仕事は少ない。売れるために汚れ役を引き受け、体を露出するように。やがて、アイドルのままの姿の自分の幻覚が現れ、女優を目指す自分を非難する。「私は誰?」アイドルに戻ることを望むファンが造ったサイトでは勝手に自分の日記が書かれていた。元アイドルであったマネージャーは同情しアイドルでいて欲しがるが、事務所は次々と汚れ仕事を。どっちが本当の自分なのか?そして、殺人事件が。脚本家、カメラマンなど未麻にかかわった人たちが殺されていく。犯人はストーカーのファンなのか?しかしそのファンも殺され・・。とうとう未麻は自分が殺人を犯している夢をみる。自分が犯人?

これも幻覚と妄想と夢と現実が混ざってくる。劇中劇で出演するドラマでも幻覚の中で人を殺める犯人を未麻は演じて、私生活とリンクしていく。もう話は複雑に入れ組む。今敏は夢と現実の入れ子構造を作った。

そして、犯人は?ええ!あいつかよ!というまさかな展開。こりゃミステリーだなあ。最後の「私は本物だよ」の台詞でとても救われる。それ程ダークであった。

アイドルの振り付けは、振付師が作ってモデルに踊らせてそこから書き起こすという懲りよう。曲もアイドルソングっぽいし。これも面白かった。絵は低予算だったのでTVアニメレベルですけど、こだわりがかなりあります。R指定なんでエッチもアリで潔癖な人は見ないほうが良いかも。私は面白かった。これはレンタルで是非。

次はこれを観るぞ。

千年女優

この曲もいいなあ。今敏の遺言は、私に新たな出会いをくれた。

素晴らしい映像世界を持っている人です。私と同い年だよ・・。

世の中の芸術作品は、ほんの一握りの天才によって作られているのだ。未完成の作品はどうなるのであろうか?早過ぎる死が惜しい。残念でなりません。

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