「日本人の知らない日本語」1~2巻。
これは漫画なのかな?日本語再発見コミックエッセイ。
日本在住の日本語学校留学生外国人たちと日本語教師「なぎこ」との授業風景ですが、これは面白い!外国人の日本語に対する素朴な疑問から、日本語の知らなかった、気が付かなかったことを教えられる漫画です。
日本人の知らない日本語 1~2巻 各880円(税別)
メディアファクトリー発行
蛇蔵&海野凪子 著
生徒のイギリス人ジャックさんは「失礼極まる」と「失礼極まりない」はどっちが失礼ですか?とか聞いてきますから・・。
日本語って当たり前に使っているけど、外国人から見れば不思議なことばかり。それを教える教師も大変です。日本語教師って外国語が出来なきゃダメかと思ったらそうじゃなくて、むしろ日本語について相当詳しくないとダメです。それ程に留学生の突っ込みは激しいです。
時代劇マニアのスウェーデン人エレーンさんは、「スッパ抜く」のスッパって何ですか?
これは「透破」「素破」。忍者のことだそうです。忍者が素早く情報を手に入れるところから素破抜く(スッパ抜く)と言われるように。来日したての頃「先生は武士ですか忍者ですか?」と質問したエレーンさんは大喜び。けど忍者は今はいないと言われて・・。
こんな感じで映画やアニメの話も出てきて、海外に伝わってる日本の情報もわかって面白いのです。
何でこんな本が我が家にあるかというと、妻が買っていた。妻は仕事柄日本語にはうるさい。私のちょっとした言葉の間違いをいちいち指摘します。家の中には古語や国語の日本語関係の本が溢れている。その中にこの漫画があったのです
特に外国人がわからないのが敬語。3段階に教える日本語学校の教え方はなるほどって思うよ。
留学生のキャラが皆かわいいのよ・・。愛らしくて。
ジャックさんは超優秀。日本人以上に日本語を操ります。「さしつかえなければ」と「おそれいりますが」の使い分けを教えてください。
うーん。相手に断る余地をどれだけ与えるかの違いだそうで。
日本人なら感覚的にやっていることをきちんと程度で指し示すやり方はわかりやすいと思うし。
最近の日本語の乱れも教えてくれるよ。おられますか、おっしゃられた、間違い。
店でよく聞く「ご注文の方以上でよろしかったでしょうか」「こちらパスタになります」「お飲み物は紅茶で大丈夫ですか」「千円からお預かりします」
みんな間違い。バイト敬語だそうで。
貴族の造語や江戸時代の流行語から日本語になっちゃったものもあるし。昔の日本語は不便だったから、みんな色々改造してきたんだね。ぱぴぷぺぽとかの半濁音はポルトガル人宣教師が作ったというのは驚きでした。
日本語に関するタメになるエッセイ漫画です。
さらに、留学生が日本人化していく過程も面白い。外国人が日本化してしまったと思うとき。ロシア人のダイアナさんは、ロシアでは「はい」「いいえ」しかないのに「考えさせて・・・」と言ってしまった時だとか。
これは絵もかわいいし面白いですよ。一度読んでみてください。書店のマンガコーナーじゃない本棚にあるかもしれないから・・。
「を」って昭和初期に「お」に統合されて、将来的に「を」は全廃される予定だったんだって。けど廃止するタイミングがつかめないまま今になっているという。今も「を」があってよかったと思うよ、うん。
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