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2011年5月31日 (火)

生命。

父が入院している病院の脇に、小さな用水路が流れていた。

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ある日、何故だが病室になかなか足が向かず、しばらくこの用水路を眺めていた。

流れには小さな段差があり、その上の緩い流れの中に、どうやらが魚がいるようだ。

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小さな魚が上流から流れてきたのだろうか?と思ってのぞいて見ると。

石にはびっしりとハミアトがあった。鮎が石に付着した藻を食べた痕跡をハミアトという。

こんな細い用水路に鮎が遡上してきているのだ。良く見ると、20センチ近い鮎が石の周りをうろうろして小魚を追い払っている。

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遡上の途中で川と用水路を間違ってしまったのだろうか?川の水の匂いで遡上する川を判断すると聞いたことがあるが、確かに上流の堰で川から取水された用水路なので、川の水は間違ってはいないのだろう。

ここの石の藻を食んだら、また上流に上って行き、いつかはまた川に戻れるのだろうか。

こんな細い用水路にも、生命が遡上してくるのをうれしく思った。

ある日の父の病室から見た夕陽。

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父が生まれ育った町に日が沈む。

父は、次の朝日を見ることが出来るのだろうかと、その時思った。

5月24日。土砂降りの雨の日。

午前2時22分。

父は85年の生涯を閉じた。

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