さよなら、9N・ポロ。
さあ、出掛けようか。
スペアキーも持って。
このVWのキーホルダーは、ポロが納車の時に、ディーラーで購入したものだ。営業レディーのTさんと選んだのだっけ・・。
キーホルダーを外して、家の鍵に付けた。
この駐車場でポロを見るのも最後だね。
フォルクスワーゲン9N型ポロ・SE(サマーエディション・限定車)。
一緒に良く走ってくれたね。あまり遠くには連れて行ってあげられなかったけど。やっぱ出先で止まったら困るよなあ、とか思っていたのかもしれない。
初めての外車だったが、私の信頼にこたえてくれた。
このドアを開けるのもこれが最後。
8月某日、ポロの車検が切れる。新車購入の下取りに3万円で出したポロよ。
そのまま廃車となると思っていたのに、新車購入したディラーの営業さんは、このポロをオークションに出すという。「こういう外車、好きな人もいるから、売れると思うのですよ」と言った。
ああ、このままこのポロは、廃車となって誰の手にも染まらずに、私だけの思い出だけを乗せて、この世から無くなると思っていたのに・・・。自分の手でこのポロを終わらせたかったのに。
売れないとは思うのだが、もし誰かが再びこのポロのハンドルを握るのならば、どうか可愛がってやって欲しい・・。
ディラーが他の場所に移動するのに自走できた方が良いだろうと、車検が切れる数日前にディラーへ持っていく。
このシートに座るのもこれが最後か。
重厚なドアの閉まる音はポロの誇りでもある。VWはこの高級車のようなドアの音を出す為にもお金を掛けている。後部座席のドアの音とは全然違うのだ。こういうこだわりが好きだった。
さあ、キーを入れる。挿入るよ、お前に挿入るのもこれが最後だよ・・。
あああ、挿入ったよ・・。キーを回すよ・・。このポーン、ポーンって音もこれで聴き納め。
いつものように、エンジンが掛かった。ポロはエンジンが掛からなかったことは一度も無かった。ありがとう。
アイドリングの振動の少なさも当時のゴルフを越えていたんだよなあ。
助手席にはあまり人が乗らなかったから綺麗だな。
もう結婚してから買った車だから、女の人はそんなに乗らなかった。妻が殆んどだよ。
亡くなった父を乗せたこともあったな。長野の宿場町まで行ったっけ。最後の方は病院ばかりだったな。
最後に乗った人は、ああ、あの人だったか。それも何かの縁だな。
おっと、走り出す前に、カーナビのデータを消去しなくちゃな。私の自宅とかいった場所がわかっちゃうし。
取り説を見ながらリモコンで操作。
サイドブレーキを解除し、発進。
数キロ先のディーラーに到着。いつものように、当たり前のようにポロはスムーズに走ってくれた。
ディーラーには、新車が納車になるまでの間お借りする、初代フィットが待っていた。
9Nポロと同じ頃にデビューした初代フィット。GDフィット(2001~2007年)、9Nポロ(2001~2009年)と同じ時代を走った2台を乗り比べるのも良い機会だ。
180キロ以上の数字が刻まれた速度計は今後もう見ることも無いだろうな。
9Nポロの最終走行距離。
もうちょっとで10万キロだったな。
よく走ってくれたよ。大きなトラブルも無く、無事にここまで走れた。
あまり遠出もしなかったが、通勤メインでコツコツと走り続けた。
ありがとう9Nポロよ。
9年間、98256キロをお前のおかげで無事故・無違反で走れたことが誇りだ。
これで見納め。永遠のお別れだ。9年間雨風に晒されても、重厚な塗装はへこたれることも無く、輝き続けてくれた。
過去、新車や中古車と何台か車を所有したが、最も長い時間、長い距離を乗った車だ。初めての外国車。スペックではない車の乗り味というのを教えてくれた車だった。
色々あったが乗り飽きなかったのだ。手放したくなかったが、これが別れだ。そして別れがこんなに悲しく寂しくなった車はこのポロが初めてだ。
さようなら、フォルクスワーゲン9Nポロ。
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