漫画・アイアムアヒーロー。
連休はマンガ浸りに。
最近、漫画はスマホで読んでいますね。もう部屋の本箱が満杯で、紙を少しでも減らしたいし、気軽に読めるってのもあるけど。
1話あたり20円ほどかかりますけどね。マンガワンってので読んでいます。中古で単行本を買うより高いかな。
今回一気に2日に渡って全22巻を読んでしまったのがこれ。
アイアムアヒーロー。
これはあとで単行本を買おうと思った。面白いです。かなりの大作でした。スピリッツ誌で断片的に読んでいましたが、通して最後まで初めて読みました。
今更か?と思われそうだが、連載中に何度か読んで面白かったので最後まで読みたかったけど、長いのでなかなか読めなかった。
2009年から2017年に渡って書かれた長編。全部で264話もあった。
作者の花沢氏はベテランだと思ったけどこの作品が3作目なんですね。
いわゆるゾンビものでして、ホラー漫画として読むとゾンビ系のゲームとかやっている人はハマるシーンが多数ありますが、それがメインテーマではないみたいな。
アイアムアヒーロー 1~22巻(完結)
花沢健吾 著 小学館
あらすじ。
鈴木英雄は35歳の漫画家、作品は売れずアシスタントとして、きつい仕事と持ち込み作品も評価されない日々。彼女の徹子が救いだが、元カレの漫画家中田コロリを評価していた。
突如噛まれるとゾンビ化する感染症が広まり、東京はパニックに。徹子も感染し英雄は噛まれてしまうが、直前に徹子は自ら歯を抜き英雄の発症は免れる。
ゾンビ化すると身体能力は上がり次々と人を襲う。パニックになる東京を脱出しゾンビから逃れようとするが。
結論からすると、最後までこの感染症のことや、感染者が合体する集合体のことは沢山の伏線がありながら回収されず、謎のままで終わります。
そこを不満と思う方も多いのですが、メインのテーマはそこではないのかもしれません。
さえない男、英雄があの日たまたま射撃の集会に行くため散弾銃を持っていたこと。そのために利用価値が出て、避難先での闘いのなかで、自分はヒーローであると小さな勘違いから人に認められていくところでしょうか。
最後まで勘違いなのですが、必死に戦っていくのですよ。
一緒に逃亡する看護師小田さんと、半感染者の女子高生の比呂美に求められる存在になった。現実社会では無理であろう状況、二人に好かれエッチまでに至り、英雄は極限状況の中で彼女らの間のヒーローになった。
しかし悲惨な最後はやってくる。
小田原での闘い。私は子供の頃小田原で過ごしていたので土地勘があるので場所が分かった。
小田さんが感染し自ら死に行くシーン。御幸が浜の川が流れている場所。グーグルマップですぐにわかったよ。
ここですね。
この道にゴミ収集車が置かれていた。その中に小田さんは自ら入っていく。
実際の場所をトレースして描いているので凄くリアルに感じてしまう。
このシーンは悲し過ぎた。
次に小田原旅行に行ったら訪ねてみよう。
回収された伏線もある。このコマの意味は何?と最初に読んだ時は思うが後でぴったりと合ってくる。この展開はぞっとした。最初から考えていたのか?それともあとから付けたのか?
マンガワンの243話で。
どうやら感染者は意思が繋がりあい時間軸も超越するようだ。
小田さんが感染した時、ゴミ収集車に腰かけ「ふーん」とつぶやいたところ。あの時小田さんは先に感染していた妹と繋がっていた。「あんたは感染したんだよ」と妹に告げられ「ふーん」とつぶやいたのだ。
小田さんは妹に鈴木英雄を守ってくれと頼む。御殿場でリーダーの井浦が感染した時に見たのは妹の姿。これが小田さんの最後の井浦の~の言葉に繋がる。しかし比呂美には最後に名前も呼んでもらえなかったくせにと英雄は罵倒されるのだが。
このシーンで最後に小田さんはすずきと呼んでいたんだね。
そして収集車の扉が閉まる瞬間にみた、あれ?は、妹に巣の主はお前が嫌いだと言われ、その巣の主の姿の比呂美であったのだ。
英雄は自分には伝わらなかったがいろいろ救われていた。英雄の持ちこんだ漫画の設定をバカにした編集担当は、不倫相手の漫画家を連載させるためであって、感染した後に鈴木を連載させると書き残した。
中田コロリはその漫画の設定を評価し、生き残った後に原案鈴木英雄としてその漫画を描く。英雄に狙撃された時に腹に入れておいた鈴木の単行本で銃弾が止まり助かり、英雄を命の恩人と評価する勘違いもあったが。
読み返すと小さな事柄がいろいろ繋がってきて面白いのです。
半感染者は引きこもりや社会で虐げられた人々であったという事や、小田さんと比呂美がそんなに英雄を巡って対立していたのかとか、ちょっと謎でしたが。
最後、英雄の集合体への狙撃が比呂美を撃ち抜き活動を停止させたヒーローなのか?
けど、おばちゃんを救って伊豆七島に逃れた中田コロリがヒーローではないのか。
最後まで読めば英雄がヒーローになれたのか、なんとなくわかってしまうのです。
読み返すとまた味が出てくる、大作でした。冒頭は英雄のどーでもいい日常が続いて読み始め難いですが、っていうかよくこんな展開が編集に許されたとは思いますが、どんどん面白くなっていきます。ホラー系が大丈夫ならぜひ読んでみてください。長いけど。
花沢氏の今連載中の現代の忍者もの、面白いですね。
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