二十歳の原点

2017年6月25日 (日)

二十歳の原点を巡る旅・その1・山科編。

前回の続きです。

あのHPを発見し、こ、これは行かなくては!と群馬を出発。

2014年5月のことです。あの時はオモテ編として旅行記を書きましたが、3年経ってやっとウラ編を書き始めましたよ。

高野悦子著の「二十歳の原点」を巡る旅の始まりです。高崎駅を出発。

東京駅で700系のぞみに乗り換え。

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京都駅で乗り換えて山科駅に到着。

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ここから先は「二十歳の原点序章」に書かれている場所。

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立命館大学の新入生となった高野悦子が最初に住んだ山科の「青雲寮」を目指します。

この場所は私にとって謎でしたが、あのHPのおかげで発見できました。本当にありがとう!

山科駅前は都会っぽかったが少し歩くと京都っぽくなっていきます。

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あった。当時とほぼ同じ姿で現存。青雲寮です。

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現在は違う名前で賃貸アパートです。グーグルマップで名前がわかるので、不動産情報を調べると、SUUMOで入居者募集中。3部屋空いているのか・・。月3万8千円。借りるか?

築26年とは?改装した時か?

想像だが、当時は真ん中に廊下が通っていて両側に部屋があったタイプ?共同トイレの当時よくあったスタイル。

この階段とか、そんな気がするよ。

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今は線路側に通路があってバストイレ付き。

あのHPによると四畳半であったようだし。このベランダの物干しの蛇腹も当時のモノか?

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P158に「前の家の瓦屋根も細い道も」と記載があり、反対側は線路で家が無いから、やはりこちら側のようです。その2階の東側だというが・・。この辺の部屋かなあ?

人がお住まいなので、あんまりじろじろ見られない。けど、この部屋に住んでいる人がこれ観たらびっくりするだろうなあ。知っている人には行きたい場所なんです・・。

通りに戻ると、また京都っぽい。

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この通りにP154に出てくる花つね食堂の跡。

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今は食堂はやっていない。

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その文章から唯一昔からわかっていた現場、安祥寺に行く道の「ガード」

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昔自分はあの文章から特定できた数少ない場所としてこのガードをくぐった。疎水まで歩いたっけ。

彼女もこのトンネルをくぐったのかなあ。

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通っていた銭湯の跡地だ。

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こう見ると山科駅から近いし銭湯も近い。新1年生が住むにはいい条件のアパートだった。

反対側の線路から見た青雲寮。やはり改築されているようですね。

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ああ、もうここだけでも大満足。あのHPの作者には大感謝ですから。

1年生の高野悦子はここに住んでいたのだ。そしてあのノートに日記を書いていた。あの窓から外を眺めていたのかもな。

今後、立命館大学旧校舎跡、京都国際ホテル、嵐山編、そして天神踏切・・。行った店とか。

まだまだ続きます。またいつか後日です。

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2017年6月24日 (土)

二十歳の原点を巡る旅・序章。

二十歳の原点を読んだことがありますか?

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にじゅっさいのげんてん、と読みます。

この本を私は確か17歳ごろに出会って、20歳になるころまで何度も読みふけり、自分の人生の中で最も心に刻まれた本であります。

昭和40年代の大ベストセラー。発行100万部を超えているとも言われるベストセラーなのに、現在では大きく取り上げられることもないような。

それはこの作品が文学作品ではなく、日記だからなのか。だがその内容は、散りばめられた詩と悲劇の最後に向かう文章は、私的には文学作品と思えます。

昭和後期に多感な時期を過ごした現在のおっさん、おばちゃまは知っている人も多いでしょう。若い方々は知らないかもしれませんね。

著者の高野悦子さんは最後のページを書いた後、鉄道自殺で亡くなります。二十才と六か月の人生でした。

今日は彼女の命日です。6月24日の未明。彼女の中では23日の深夜だったでしょう。この命日に、彼女の残した「二十歳の原点」について書き始めようと思います。

生前、詳細に書いていた日記のノートが死後ご両親に発見され、出版されました。

20歳の誕生日から死の直前までの半年間の日記を記載した「二十歳の原点」は、最後死の前に書いた美しい詩で終わっており、私の胸は締め付けられた。

映画化もされてベストセラーになりました。

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結果、3部作として世に出ます。「二十歳の原点ノート」は西那須野の中学生時代と宇都宮で下宿していた高校生時代です。

「二十歳の原点序章」は大学入試から京都の立命館大学に入学し、山科での1年生、嵐山での2年生の暮らしを書いています。

私が17歳の時、確か「二十歳の原点」は当時に新潮社の文庫本100冊に入っていて、何気に手に取った。けどそのころ女子大生ブームがあってね・・。単に女子大生の日記を覗き見たいというスケベ心からの読書であった。

しかし、その内容に心を打たれた。死に向かっていく頃の文章は心の叫びであった。一丁前に人生とか考えだした頃の自分に深く刻まれたのだった。もっと彼女のことを知りたい。

地元の図書館に単行本バージョンがあって、あとがきが違うことを知った。自殺現場で拝みたかった。特定したかった。けど今みたいにネットがないので情報がない。下宿を見てみたい、行きつけだった喫茶店に行ってみたい。けどまだ子供で群馬から京都なんて行けない。

もう何冊も買った。

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これは昭和56年ごろの。

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ノート、序章と読み進み。作中に出てくる彼女が影響を受けた本も探して読んだ。学生運動のくだりは難解だ。なので岩波新書など学生運動関連の本を読み漁った。

私は、19歳頃には昭和44年までの学生運動に相当詳しくなっており、興味を持った。若気の至りで、もうすでに心の中では革命を志すようになってしまい、大学に行ったらセクトに入って暴れてやろうと思った。

しかし、すでに平和な世の中、学生運動なんて終わっていて若者はサークルにコンパにバイトであった。その中で学生運動が盛んな椎応大学(笑)に二浪して入学。当時、縫製大学と並んで学生運動をやっているという・・。

入学して、平和なキャンパスの雰囲気にうっとり。だが入学から数か月後、デモ隊はやってきた。スキーサークルに隠れてサークル棟に潜んでいた組織の部隊は、ヘルメットにサングラスタオルで顔を隠し、長い棒を持って何やら叫びながら隊列を組んでやってくる。

おおお、初めて見たよ。か、かっこいい。おお女性も結構いるなあ・・。

けど彼らは、大学当局の事務室のガラス窓を棒で叩いて破壊しまくっていったのです。彼らが来るとサイレンが鳴って大きな窓はシャッターが下りるのですが、小さい窓は破壊されまくった。

怖ええええーーーっ!

暴力はいかんよ、破壊はいかん!何が不満だか知らんが、こりゃだめだ。

私の学生運動の幻想は一気に崩れ、やっぱ平和が一番、バイトと合コンと彼女とセッ○スのキャンパスライフを謳歌したのでした・・。

昭和44年まではそんな学生運動が全国で盛んでした。彼らは本気で革命を志したかわからないが、今より娯楽のない時代、興奮状態で突き進んだのだと思う。

高野悦子の文章も難解な表現が多い。今の時代の女子大生がこんな文章を書くか?書かないであろう。こういう感覚も時代が生んだものなのか。いや彼女特有の思いなのか。今のようなブログもツイッターもない時代、彼女は必死でノートに自分の思いを描き続けたのだった。

だが彼女の学生運動は敗走に続く敗走。勝ち目はない。機動隊と戦い、キャンパスを追い出され最後の牙城の別館もバリケードを解かれ敗走。京大闘争と合流するが、戦闘で負傷し警察に拘束され傷ついていく。

救いを求めた恋愛。彼女は内向的な性格ではあるが、恋人がほしい。かなりの美人さんで周囲の男性からも可愛いと思われていたようですが。いろいろ男性を好きになるけどその性格ゆえか男に幻想を抱きすぎるのか、恋人ができない。性への思いは文章にもあふれてくる。原点ノートでは幼いころからのオ○ニー癖を告白し、原点序章では知人男性に犯される形で初体験。原点ではバイト先の男性と関係を持つが男には彼女がいたのだ。

寂しさと敗北。彼女は救いのない中、死を選ぶのです。

読んだことのない方、難しい内容の部分はぶっ飛ばしてもよいから、一度読んでみてください。

私はこの本を自分の20歳を前に読むことができて幸せでした。自分が20歳を超えた時、ああ彼女より長生きしてしまったと思ったよ。

で、彼女の痕跡を探そうと、私は何度か京都に旅行しました。

けど、場所が特定できない。自殺場所はほぼ特定できた。ジャズ喫茶のシアンクレールはもう営業していなかったがレンガ外装の建物には出会えた。あと分かった部分はほとんどありません。

ネット上に高野悦子関連の記事が出ましたが、関係者は隠そうとする部分もあったり、由縁のない人が勝手な妄想や想像で書いた記事ばかりでした。

しかし、数年前に出会ってしまったのです。すべての謎を解き明かすHPに。

「二十歳の原点案内」というそのHPは、関係者に取材をし、現場に足を運んで書いています。事実が明らかになっていくのです。

凄い人が現れたものです。長年の知りたかったことをすべて解き明かしてくれた。関係者の証言は凄いです。自殺当日の詳細も明らかになりました。未発表の彼女の写真も数多く掲載されています。

このHPの作者に連絡を取ってまだ記載されていないことも伺ってみようとも思いましたが、とてもご多忙のようで迷惑になるかもしれないので控えます。

なのでそのHPのリンクも記載しませんが、探せばすぐにわかります。

で、そのHPに記載されている高野悦子の住んでいたアパートの3か所の場所も特定されており、もう長年の夢がかなった私は、京都旅行に出掛けました。

高野悦子を巡る旅です。なんかストーカーっぽいですが、いいんです。あの二十歳前の私が恋い焦がれた女性ですから。

もうかのHPの作者には大感謝です。ありがとう!

二十歳の原点をこれだけ研究したのは初めてではないでしょうか。このまま出版しても売れると思う。作者さんには嵐山にでも高野悦子記念館を作ってもらいたいくらいです。ささやかな寄付くらい私もするぞ。

その京都旅行はもう3年前です。その時の様子はオモテ編としてこのブログのこの記事から2回記載しています。

その時は高野悦子を巡る旅ということは内緒にしているので、なんで京都でここに行ったの?って思われたかもしれません。

そう、この旅行記がウラ編なんですから・・。やっと真実が書けます。

彼女のアパートを訪ね、行った店で食事し、バイト先の京都国際ホテルにも廃業前に宿泊できました。

では、二十歳の原点を巡る旅、山科編を次回書きます。

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